SQL Server インストール 手順とコツ データベース構築

SQL Serverのインストール方法から、初期設定、トラブルシューティングまで詳しく解説します。データベース構築の基礎を学びたい方におすすめですが、意外と知られていないコツとは?

SQL Server インストール 手順とコツ

SQL Server インストールの概要
💻
インストール準備

システム要件の確認とエディション選択

🔧
インストール手順

ステップバイステップのセットアップガイド

🚀
初期設定とトラブルシューティング

効率的な運用のためのコツと問題解決法

SQL Server インストール前の準備とシステム要件

SQL Serverをインストールする前に、適切な準備とシステム要件の確認が不可欠です。以下の手順に従って、スムーズなインストールプロセスを実現しましょう。

  1. システム要件の確認

    • オペレーティングシステム: Windows Server 2016以降、または Windows 10以降
    • プロセッサ: x64アーキテクチャ、1.4 GHz以上
    • メモリ: 最小1 GB(推奨6 GB以上)
    • ハードディスク容量: 最小6 GB(機能によって異なる)

  2. エディションの選択

    • Developer: 開発およびテスト環境用(無料)
    • Express: 小規模アプリケーション用(無料、制限あり)
    • Standard: 中規模ビジネス用
    • Enterprise: 大規模ビジネスおよびミッションクリティカルな環境用

  3. 必要なソフトウェアのインストール

    • .NET Framework 4.6以降
    • PowerShell 3.0以降

  4. セキュリティ設定の確認

    • Windowsファイアウォールの設定
    • アンチウイルスソフトウェアの一時的な無効化(インストール中のみ)

  5. バックアップの作成

    • 既存のデータベースがある場合は、必ずバックアップを取っておきましょう

 

SQL Serverのインストールに関する詳細な情報は、以下の公式ドキュメントを参照してください。
SQL Server のインストール - Microsoft Docs

SQL Server インストールの詳細手順とセットアップウィザードの使い方

SQL Serverのインストールプロセスは、セットアップウィザードを使用することで比較的簡単に行えます。以下に、詳細な手順を示します。

  1. インストールメディアの準備

    • Microsoft公式サイトからSQL Serverのインストールファイルをダウンロード
    • ISOファイルの場合は、仮想ドライブにマウントまたは展開

  2. セットアップウィザードの起動

    • setup.exeを管理者権限で実行
    • 「新規SQL Serverスタンドアロンインストールを実行するか、既存のインストールに機能を追加」を選択

  3. プロダクトキーの入力

    • 有償版の場合はプロダクトキーを入力
    • 無償版(DeveloperやExpress)の場合は「無償のエディションを指定する」を選択

  4. ライセンス条項の同意

    • 内容を確認し、同意にチェック

  5. Microsoft Updateの確認

    • 推奨設定を選択

  6. インストールルールのチェック

    • 自動的に実行される前提条件のチェック

  7. 機能の選択

    • 必要な機能にチェック(例:データベースエンジンサービス、管理ツール)

  8. インスタンスの構成

    • 既定のインスタンス名または名前付きインスタンスを選択

  9. サーバーの構成

    • サービスアカウントとコレーションの設定

  10. データベースエンジンの構成

    • 認証モードの選択(Windows認証モードまたは混合モード)
    • SA(システム管理者)パスワードの設定
    • データディレクトリの指定

  11. インストールの実行

    • 設定内容を確認し、「インストール」をクリック

  12. インストール完了の確認

    • インストール完了画面で結果を確認

 

インストール中に問題が発生した場合は、ログファイルを確認することで原因を特定できます。ログファイルは通常、以下のパスに保存されています:


C:\Program Files\Microsoft SQL Server\<バージョン番号>\Setup Bootstrap\Log

 

セットアップウィザードの詳細な使用方法については、以下のMicrosoft公式ガイドを参照してください。
インストール ウィザードからの SQL Server のインストール - Microsoft Docs

SQL Server インストール後の初期設定とデータベース作成手順

SQL Serverのインストールが完了したら、以下の初期設定とデータベース作成手順を行いましょう。これらの手順により、安全で効率的なデータベース環境を構築できます。

  1. SQL Server Configuration Manager の設定

    • ネットワーク構成の確認と調整
    • サービスの起動モードの設定(自動/手動)

  2. SQL Server Management Studio (SSMS) のインストール

    • 別途ダウンロードとインストールが必要
    • 最新版の使用を推奨

  3. サーバーへの接続テスト

    • SSMS を起動し、インストールしたインスタンスに接続

  4. セキュリティ設定

    • Windows ファイアウォールでのSQL Server ポートの開放
    • 強力なパスワードポリシーの適用

  5. データベースの作成

    • SSMS で新しいデータベースを作成
      
         CREATE DATABASE MyNewDatabase
        

  6. ログインとユーザーの作成

    • 新しいログインの作成
      
         CREATE LOGIN NewUser WITH PASSWORD = 'StrongPassword123!'
        
    • データベースユーザーの作成と権限の付与
      
         USE MyNewDatabase
         CREATE USER NewUser FOR LOGIN NewUser
         GRANT SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE TO NewUser
        

  7. バックアップ計画の設定

    • 定期的なフルバックアップの設定
      
         BACKUP DATABASE MyNewDatabase 
         TO DISK = 'C:\Backups\MyNewDatabase.bak' 
         WITH INIT, COMPRESSION
        

  8. パフォーマンス設定の最適化

    • メモリ設定の調整
    • インデックスの作成と統計情報の更新スケジュール設定

  9. 監査とログの設定

    • SQL Server Audit の構成
    • ログファイルの保存期間と場所の設定

  10. テストデータベースの作成(オプション)

    • サンプルデータベース(例:AdventureWorks)のインストール
      
          RESTORE DATABASE AdventureWorks2019
          FROM DISK = 'C:\Samples\AdventureWorks2019.bak'
          WITH MOVE 'AdventureWorks2017' TO 'C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL15.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\AdventureWorks2019.mdf',
          MOVE 'AdventureWorks2017_log' TO 'C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL15.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\AdventureWorks2019_log.ldf'
         

 

これらの初期設定を適切に行うことで、セキュアで効率的なSQL Server環境を構築できます。また、定期的なメンテナンスと監視を行うことで、長期的な安定性とパフォーマンスを確保できます。

 

SQL Serverの初期設定に関する詳細なガイドラインは、以下のMicrosoft公式ドキュメントを参照してください。
サーバー構成オプション - Microsoft Docs

SQL Server インストールのトラブルシューティングと一般的な問題の解決策

SQL Serverのインストール中や初期設定時に問題が発生することがあります。以下に一般的な問題とその解決策を示します。

  1. インストールの失敗
    原因: システム要件不足、権限の問題、既存のインストールとの競合
    解決策

    • システム要件を再確認
    • 管理者権限でインストーラーを実行
    • 既存のSQL Serverコンポーネントを完全にアンインストール
    • セットアップログを確認(C:\Program Files\Microsoft SQL Server\\Setup Bootstrap\Log)

  2. ネットワーク接続の問題
    原因: ファイアウォール設定、TCP/IPプロトコルの無効化
    解決策

    • Windows ファイアウォールでSQL Serverポート(通常1433)を開放
    • SQL Server Configuration Managerでプロトコルを有効化

  3. 認証エラー
    原因: 混合モード認証の未設定、SAパスワードの問題
    解決策

    • SQL Server Configuration Managerで認証モードを変更
    • SAパスワードをリセット
      
         ALTER LOGIN sa WITH PASSWORD = 'NewStrongPassword123!'
        

  4. データベース復元の失敗
    原因: ファイルパスの不一致、権限の問題
    解決策

    • MOVE オプションを使用して正しいパスを指定
    • SQL Serverサービスアカウントにバックアップファイルへのアクセス権を付与

  5. パフォーマンスの問題
    原因: リソース不足、不適切な設定
    解決策

    • メモリ設定の最適化
      
         EXEC sp_configure 'show advanced options', 1
         RECONFIGURE
         EXEC sp_configure 'max server memory (MB)', 4096 -- 例: 4GB
         RECONFIGURE
        
    • インデックスの再構築と統計情報の更新
      
         ALTER INDEX ALL ON MyTable REBUILD
         UPDATE STATISTICS MyTable WITH FULLSCAN
        

  6. ログファイルの肥大化
    原因: トランザクションログの不適切な管理
    解決策

    • 定期的なログバックアップの実行
    • 復旧モデルの変更(必要に応じて)
      
         ALTER DATABASE MyDatabase SET RECOVERY SIMPLE
        

  7. インスタンス名の変更が必要な場合
    解決策

    • インスタンスの再インストールが必要(名前の直接変更は不可)
    • データとログファイルのバックアップと復元を行う

  8. セキュリティ警告の多発
    原因: 不適切なセキュリティ設定
    解決策

    • 最新のセキュリティパッチの適用
    • 適切な権限設定の見直し
    • 監査ログの定期的な確認

 

これらの問題に直面した場合、まずはSQL Serverのエラーログを確認することが重要です。エラーログは通常以下の場所にあります:


C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.\MSSQL\Log\ERRORLOG

 

また、Windows イベントログも有用な情報源となります。

 

トラブルシューティングの詳細なガイドは、以下のMicrosoft公式ドキュメントを参照してください。
SQL Server インストールのトラブルシューティング - Microsoft Docs

SQL Server インストールの自動化とスクリプト化による効率的な展開

大規模な環境や複数のサーバーにSQL Serverをインストールする場合、インストールプロセスの自動化は時間と労力を大幅に節約できます。以下に、SQL Serverインストールの自動化とスクリプト化の方法を示します。