SQLインジェクションの基本から実践的な対策まで、具体的なコード例を交えて解説します。あなたのWebアプリケーションは本当に安全ですか?
SQLのハッシュ化とセキュリティ対策の実装方法について
SQLデータベースでのパスワードやデータのハッシュ化について、最新のアルゴリズムや実装方法を解説します。あなたのデータベースは本当に安全ですか?
現代のSQLデータベースでは、様々なハッシュアルゴリズムが利用可能です。主要なアルゴリズムとその特徴を見ていきましょう。
アルゴリズム | ビット長 | セキュリティレベル | 推奨用途 |
---|---|---|---|
MD5 | 128ビット | 非推奨 | レガシーシステムのみ |
SHA-256 | 256ビット | 高 | 一般的なデータ保護 |
SHA-512 | 512ビット | 最高 | 機密性の高いデータ |
bcrypt | 可変 | 最高 | パスワード専用 |
-- SHA-256を使用したハッシュ化の例
SELECT HASHBYTES('SHA2_256', 'サンプルパスワード')
-- bcryptを使用したパスワードのハッシュ化
INSERT INTO users (username, password_hash)
VALUES ('example_user', HASHBYTES('SHA2_512', 'パスワード'))
ソルトの実装は、ハッシュ化されたデータのセキュリティを大幅に向上させます。
-- ソルトを使用したハッシュ化の実装例
DECLARE @Salt UNIQUEIDENTIFIER = NEWID()
DECLARE @Password NVARCHAR(50) = 'ユーザーパスワード'
INSERT INTO Users (Salt, PasswordHash)
VALUES (
@Salt,
HASHBYTES('SHA2_512',
CAST(@Salt AS NVARCHAR(36)) + @Password
)
)
ハッシュ化の実装には、セキュリティとパフォーマンスのバランスが重要です。以下のポイントに注意しましょう:
ハッシュ衝突は避けられない問題ですが、適切な対策を講じることで影響を最小限に抑えることができます。
-- 衝突検出のためのクエリ例
SELECT HashValue, COUNT(*) as CollisionCount
FROM HashTable
GROUP BY HashValue
HAVING COUNT(*) > 1
-- 衝突解決のための複合ハッシュの実装
SELECT HASHBYTES('SHA2_512',
CONCAT(
HASHBYTES('SHA2_256', データ1),
HASHBYTES('SHA2_256', データ2)
)
)
最新のセキュリティ要件に対応するため、以下の点に注意が必要です:
-- イテレーションを実装したハッシュ化の例
CREATE FUNCTION dbo.IterativeHash
(
@Input NVARCHAR(MAX),
@Iterations INT
)
RETURNS VARBINARY(64)
AS
BEGIN
DECLARE @Hash VARBINARY(64)
SET @Hash = HASHBYTES('SHA2_512', @Input)
DECLARE @i INT = 1
WHILE @i < @Iterations
BEGIN
SET @Hash = HASHBYTES('SHA2_512', @Hash)
SET @i = @i + 1
END
RETURN @Hash
END
このような実装により、より強固なセキュリティを確保することができます。