SQLの大文字と小文字の区別と変換方法を完全解説

SQLにおける大文字・小文字の扱い方について、実践的なコード例を交えながら詳しく解説します。区別の有無や変換方法など、現場で使える知識が身につきますが、あなたのSQLの書き方は正しいのでしょうか?

SQLの大文字と小文字の基本と応用

SQLの大文字・小文字の重要ポイント
📝
記述ルール

予約語は大文字、テーブル名やカラム名は小文字が推奨されています

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区別の有無

デフォルトでは区別されませんが、BINARYオプションで区別可能です

🔄
変換機能

UPPER関数とLOWER関数で文字列の大文字小文字を変換できます

SQLの大文字小文字の基本ルールと現場での使い方

SQLには厳密な大文字・小文字のルールは存在しませんが、可読性と保守性を高めるために、以下のような慣習があります:


SELECT column_name
FROM table_name
WHERE condition = 'value'

 

予約語(SELECT、FROM、WHEREなど)は大文字で記述し、テーブル名やカラム名は小文字で記述することで、SQLの構造が視覚的に分かりやすくなります。

SQLの大文字小文字を区別した検索方法とBINARY演算子

MySQLでは、デフォルトでは大文字・小文字を区別しません。区別して検索したい場合は、BINARY演算子を使用します:


-- 大文字小文字を区別して検索
SELECT * FROM users 
WHERE BINARY username = 'JohnDoe'
-- テーブル作成時に区別を設定
CREATE TABLE users (
    id INT,
    username VARCHAR(50) BINARY
)

SQLのUPPER関数とLOWER関数による文字列変換テクニック

文字列の大文字・小文字を変換するには、以下の関数を使用します:


-- 大文字への変換
SELECT UPPER(username) AS upper_name FROM users
-- 小文字への変換
SELECT LOWER(email) AS lower_email FROM users
-- 検索時の活用例
SELECT * FROM users 
WHERE LOWER(email) = LOWER('User@Example.com')

SQLの大文字小文字とパフォーマンスの関係性

大文字・小文字の使い分けがパフォーマンスに与える影響について、興味深い調査結果があります:

  • MySQL 8.0ではクエリキャッシュが廃止され、大文字・小文字による速度差はほとんどありません
  • インデックスを使用する場合、BINARY演算子の使用は検索速度に影響を与える可能性があります
  • 照合順序(Collation)の設定が、検索パフォーマンスに大きく影響します

SQLの大文字小文字に関する各データベースの違いと対応方法

データベース製品によって大文字・小文字の扱いが異なります:

データベース デフォルトの区別 区別する方法
MySQL 区別しない BINARY演算子
SQL Server 区別しない COLLATE句
PostgreSQL 区別する ILIKE演算子
Oracle 区別する UPPER/LOWER

-- MySQL
SELECT * FROM users WHERE BINARY name = 'John'
-- SQL Server
SELECT * FROM users 
WHERE name COLLATE SQL_Latin1_General_CP1_CS_AS = 'John'
-- PostgreSQL
SELECT * FROM users WHERE name LIKE 'John'
-- Oracle
SELECT * FROM users WHERE name = 'John'